内容監修
福永 里沙
RISA FUKUNAGA
福永 里沙
RISA FUKUNAGA
歯科医師
臨床研修修了後、日本歯科大学総合診療科にて一般診療に従事。より臨床の場で多くの患者さんの診療をするために、都内の口腔外科、矯正歯科、審美歯科で研鑽を積み、ジェネラリストとしての技能を習得。あらゆる年齢層、症例に対応できる診療の幅広さを強みとする。一歯単位の治療ではなく、一口腔単位の治療から全身の健康へつなげるような歯科医療の提供を理念に掲げ、デンタルクリニックTENを開業
虫歯とはなんなのか?
虫歯とは歯の表面に定着した細菌が作り出す「酸」により歯が溶かされる病気です。この「酸」をもっとも作り出し、虫歯を起こす原因としてあげられる有名な細菌がミュータンス菌と呼ばれる細菌です。しかしながら、最近ではこの菌にのみよって虫歯が引き起こされるわけではないということが分かっています。
虫歯を引き起こし、その進行を悪化させる原因として4つのことが関わっています。
細菌
ミュータンス菌をはじめとする細菌が酸を作り出し、歯を溶かします。これは歯の表面にプラーク(歯垢(しこう))と呼ばれるねばねばした細菌と細菌によって作り出されたものの塊がつよく関わります。この塊の中で酸が作られることで、酸が歯の表面にとどまり、また唾液などに洗い流されないため歯を溶かし続けるのです。
食物
細菌が酸を作り出すのには食物が必要です。食物を酸に作り変えます。食後にたべものの残りかすが口の中に残っていないことが虫歯を防ぐことに繋がります。
患者様ご自身の状態
患者様によっては、唾液量が少ない方、歯並びの問題により歯ブラシで磨きにくい場所がある方、それぞれの歯自体の状態が異なります。唾液が少ないほど、また歯並びが適切でないほど虫歯ができ、悪化しやすくなります。
時間
歯の表面にプラークができるまで、細菌が食物から酸を作るまでには時間がかかります。それまでに、ブラッシング等により原因を取り除くことで虫歯を防ぐことができます。
虫歯は、以上4つの原因が互いに作用しあうことで発生し、悪化します。なので、患者様によって虫歯ができやすい方、できにくい方がいらっしゃいます。
虫歯の痛み
虫歯は以下のようなステップ進行するといわれています。
初期エナメル質の虫歯(CO)
歯の表面を多くエナメル質に軽く虫歯がある状態です。白色の着色が見られますが、自然治癒が可能です。痛みはありません。
エナメル質虫歯(C1)
歯を見たとき表面にある一番硬いエナメル質という層が細菌により溶かされた状態です。エナメル質には神経はないため痛みはありませんが溝や小さい穴ができたりします。自分では見つけにくいですが歯医者で歯石除去をしてもらうときに見つかることがあります。
象牙質う蝕(C2)
エナメル質のさらに内側には象牙質と呼ばれるやわらかい歯質があります。ここでは虫歯がその象牙質まで進行した状態です。象牙質には直接目に見えない細い管をありそれを通して刺激が神経に伝わります。
食べ物(あまいものなど)を食べた時に歯がしみる、冷たい飲み物を飲んだ時に歯がしみるなどの痛みが表れます。また、穴が開いて黒く見えるため虫歯だとわかりやすいです。
歯髄(神経の部屋)にまで達する虫歯(C3)
虫歯が、象牙質よりさらに深く進み、歯髄(神経の部屋)まで達した状態です。食べ物を食べた際、冷たいもの・温かいものを飲んだ際に強い痛みを感じるのに加えて、日常生活の中でも自然に強い痛みが表れます。放置すると痛みがなくなることがありますが、これは治ったわけではなく神経が死んでしまったためであり、治療しなければなりません。またこれが原因で歯周炎になり、歯の周囲まで影響が及ぶこともあります。
う蝕によって歯冠(歯)がほとんどない状態の虫歯(C4)
虫歯が最も進んでしまった状態です。虫歯によって歯茎から出ている部分の歯がなくなり、歯の根っこだけ残った状態となっています。もし神経が生き残っていれば激しい痛みがありますが神経が死んでいて痛みがないことも多くあります。
虫歯かも?と思ったら
- 歯の痛み
- 歯がしみる
- 歯が変色している
などの症状がある方はぜひ当院にご相談ください。
虫歯の痛みは、歯をたたいても痛みを感じないことがあります。歯をたたいた時に痛むのは歯の根の部分に痛みの原因がある時です。虫歯は、歯の歯冠側(上側)や歯の中(神経の部屋)が原因で痛みが起こります。治療する必要があるのかどうか、日常生活でどのように気を付けたらよいか(ブラッシングのやり方など)も含めて丁寧に説明いたします。
まずは、そのままの状態で放置しておくことなく、ぜひご相談ください。
治療による痛みが苦手な方は麻酔により軽減することもできます。
むし歯の治療
CO
この段階では自分で丁寧に歯磨きをして経過観察するのがよいでしょう。歯磨き粉はフッ素が配合されているとなお良く、またクリニックで歯にフッ素塗布をしてもらうことも有効です。
C1
痛みがないため気付きにくいですが、歯が溶け始めているため虫歯の部分を削り、そこにコンポジットレジンという歯に似た色の歯科材料やセラミック、銀歯などの詰め物をします。歯を削る量が少ないためこの段階での治療が望ましいです。
C2
治療法はC1と同じですが、象牙質まで細菌に感染しているため削る歯の量は多くなります。
C3
虫歯部分を削った後詰め物をする前に、細菌に侵された神経を取り除いてさらに虫歯が広がることを防ぎます。歯の神経は根管という歯の内部の管の中にあるため、これを根管治療といいます。根管治療が終わり、炎症が治まったら詰め物をして治療を終えます。
この根管治療に際して、当クリニックでは本来自費診療となるマイクロスコープを使った治療を保険適応で行うことができます。従来は歯科医師が根管の中の感染した神経を専用の針のような器具を使い手探りで除去します。しかしこの治療法は感染した神経を完全に除去できないことがあり、治療後も炎症が治まらないことがあります。
根管治療でマイクロスコープを使用することで根管の内部を細部まで見ることができ、より精度の高い治療が期待できます。
C4
ここまで来てしまうと歯の周りの組織にも炎症が広がっていることもあるためその状況で治療方針は変わりますが、基本は抜歯してそのあとブリッジや入れ歯やインプラントで補います。
自費診療について
同じむし歯の治療でも、比較的費用の抑えられた「保険診療」と、数万円の「自費診療」があります。
まず、保険診療と自費診療ではその目標が異なります。保険診療はとにかく歯の機能を回復することが目的です。そのため、保険診療では、最低限の材料を使用した治療を行います。一方で、自費診療は、見た目をより良くすることだけでなく、耐久性や人体への悪影響を小さくすることも目的です。治療費を全額自費負担いただく代わりに、最新の技術や上質な素材を使った治療を提供可能です。
そのため、使う材料もそれぞれで異なり、保険診療では一般的に使われるレジンやプラスチック、特定の金属を使います。価格が安い分、耐久性も十分ではありませんし、金属は審美面で劣ることがあります。一方自費診療は様々な歯科材料を使うことができるため、患者さんのニーズに応え易くなります。例えば審美面で優れ耐久性もあるセラミック、またジルコニアも使用できます。
保険診療にするか自費診療にするかはあくまでも患者さんの意向が第一ですので、それぞれのメリットデメリットを考え、スタッフと相談して決めることをおすすめします。
渋谷を利用する比較的若い患者様の中には、治療した歯との付き合いが50年を超える方もいらっしゃることを考え、当院ではセラミックを用いた治療おすすめしております。一方で、それを決して押し付けることはなく、適切な情報提供のもとに、患者様の自己決定をサポートしております。
型取りの材料について
歯の型を取るときに使うときにお口に入れる材料を印象材といい、その種類は大きく分けてアルジネートとシリコーンゴムの2種類があります。
アルジネート
ピンク色をした素材で、お口の中に少し冷たくてムニュっとした感触を感じます。操作性に優れ、保険適用の治療で使用できる安価な印象材ですが、寸法安定性や強度が劣ります。水分の蒸発などによる寸法変化が大きく、精度が求められる治療には適していません。
シリコーンゴム
人体に無害で、時間が経っても収縮しにくい性質があるので、型取りが精密にできる印象材です。セラミック治療などの精度が求められる治療に適しています。当院では自費診療の際には必ずシリコーンゴムを利用しております。
治療後について
いずれの段階でも治療がきちんと終わるまで通うことはもちろん大切ですが、残念ながら治療した場所から再び虫歯が発生することがあります(代表的なものとして、コンポジットレジンが詰まった部分とその下の歯との境界から虫歯が発生することがあります)。治療が終わると安心して全く歯科医院に行かなくなる方もいらっしゃいますが、治療後も定期的に歯を診てもうようにしましょう!
虫歯にお困りなら当院をご受診ください
EXPERIENCE
お待たせしない
スマートな受診体験
約1分で
簡単に予約完了
当院は患者さまをお待たせしないために、完全web予約制の歯科クリニックとなっております。面倒な会員登録はなく、LINEと連携することでたった1分で予約が完了します。
対話の質を高める
事前問診
限られた診察時間のなかでもしっかりと対話をするために、症状や生活習慣に関する事前問診(1~2分)をweb上でご回答いただきます。
お待たせせず
すぐ受診
来院時には問診表の記入や待合いはございません。予約時の問診により、医師が診察前からあなたの状態を把握できるため、丁寧な診察をお待たせせずに提供可能です。
会計を待たない
キャッシュレス事後決済
当院は保険診療のクレジットカード支払いに対応しています。受付時にご登録頂いたクレジットカードからの引き落としとなりますので、診察後は会計を待たずに、すぐにお帰り頂けます。