ボツリヌス治療とは
寝ているときの無意識な歯ぎしりや食いしばりにお困りの方はいらっしゃいますか?
自分では気付いていなかったものの友人やパートナーの方から指摘されて気付くケースも近年多くなっています。ところが現状日本では歯ぎしり・食いしばりを緩和する治療は確立されていません。一般的な治療法としてマウスピースによるナイトガードを推奨されますが、噛み合わせを調整するために定期的な通院が必要になります。一方でこのような処置を行っても改善が上手くいかない場合、歯ぎしり・食いしばりを緩和する他の治療法として医学的根拠があるボツリヌス治療があります。一般的に知られているボトックスは米アラガン社が開発販売しているボツリヌス製剤の商品名のことです。したがってボツリヌス治療と表記させていただきます。使用する製品の効果に違いはないのでご安心ください。
歯ぎしり・食いしばりによる主な症状
- 偏頭痛や肩こり、首こり
- 奥歯での噛み癖
- 起床時の倦怠感やあごの疲れ
- 歯の欠け、折れ
- インプラントや詰め物、被せ物の頻繁な外れ
- 虫歯がない状態での歯痛
改善
ボツリヌス治療とはボツリヌス菌が産生する「ボツリヌストキシン」の有効成分を医療用に精製したボツリヌス製剤を筋肉内に注射し、筋肉の過活動や緊張の改善を図る治療です。歯科で行うボツリヌス注射は噛むための筋肉のうちの一つである「咬筋」へ注射を行います。注射をすることにより咬筋の緊張が取れ、夜間の無意識による歯ぎしり・食いしばりが緩和されることが期待されます。
マウスピースとの併用
歯ぎしりの症状のある方は、まず噛み合わせ治療が必要なことが多いです。噛み合わせが良くなると歯ぎしりが改善されやすくなります。そこで使用されるのがマウスピースです。マウスピースにより噛み合わせの位置を正しながら、さらにボツリヌス治療で固まってしまった筋肉を弛緩し嚙む力をコントロールすることで効率よく治療することができます。
デンタルクリニックTENで提供するボツリヌス療法の流れ
①口腔内状況を精査
デンタルクリニックTENではボツリヌス注射を希望される方にはまず口腔内の状況を確認させていただきます。ボツリヌス製剤を注射するリスクを考慮し、症状の改善において注射が最良の選択であることを確認してから、必要に応じてご案内いたします。場合により他の治療法をご提案する場合がございますが、最善のご提案をいたしますのでご安心ください。
②ボツリヌス注射
口腔内の状況を確認した後、治療へと進みます。同意書にサインをしていただき、咬筋へ注射する流れになります。必要に応じて同時にマウスピースを作成することがあります。
※口腔内検査を行った際に治療が必要である場合、治療を行いながら歯ぎしりの改善を行うことになります。
なぜボツリヌス治療の前に口腔環境を整える必要があるのか
歯の痛みが生じたときに、歯ぎしりによるものなのか虫歯など他の要因によるものなのか分からなくなるため、まずは口腔内環境の改善が必要になります。また口腔環境が悪い場合、治療の最中に噛み合わせが変化してしまう可能性があり、歯ぎしりが悪化したりせっかく作成したマウスピースにも悪影響が出てしまうため、デンタルクリニックTENでは歯の治療も同時に行っていきます。
注意
- 治療の効果は、数日~2週間で現れ、通常4~6ヶ月間持続しますが、その効果は個人差があります。また治療を繰り返すうちに耐性が生じて効果が出なくなることがありますが、適切な間隔で治療を行うことで筋肉の縮小が効果的に現れます。
- 注射後は注射部位やその付近を強くこすったり押さえたりしないでください。また内出血、発赤、腫れ、感染症状、しこり、かゆみ、疼痛、発疹、頭痛、アレルギー症状、脱力感、筋力低下、めまい、視力低下などが出る場合があります。腫れや内出血が出た場合、症状が落ち着くまで2週間程度かかることがあります。
- コロナワクチンやインフルエンザワクチンなどの各種予防接種を予定される場合、前後3週間空けてください。
料金のご案内
初回 | 22,000円 |
2回目以降単発 | 38,500円 |
年3回プラン | 88,000円 |
内容監修
福永 里沙
RISA FUKUNAGA
福永 里沙
RISA FUKUNAGA
歯科医師
臨床研修修了後、日本歯科大学総合診療科にて一般診療に従事。より臨床の場で多くの患者さんの診療をするために、都内の口腔外科、矯正歯科、審美歯科で研鑽を積み、ジェネラリストとしての技能を習得。あらゆる年齢層、症例に対応できる診療の幅広さを強みとする。一歯単位の治療ではなく、一口腔単位の治療から全身の健康へつなげるような歯科医療の提供を理念に掲げ、デンタルクリニックTENを開業