内容監修
福永 里沙
RISA FUKUNAGA
福永 里沙
RISA FUKUNAGA
歯科医師
臨床研修修了後、日本歯科大学総合診療科にて一般診療に従事。より臨床の場で多くの患者さんの診療をするために、都内の口腔外科、矯正歯科、審美歯科で研鑽を積み、ジェネラリストとしての技能を習得。あらゆる年齢層、症例に対応できる診療の幅広さを強みとする。一歯単位の治療ではなく、一口腔単位の治療から全身の健康へつなげるような歯科医療の提供を理念に掲げ、デンタルクリニックTENを開業
矯正治療とは?
咬み合わせの改善を目的とした治療です。歯科疾患の予防や審美性の改善、発音機能の改善などが期待できます。
矯正治療のメリット
矯正歯科の目的は咬み合わせの改善にありますが、良い咬合を維持することにより得られるメリットは多くあります。以下はメリットのうちで大きなものを紹介します。
1. 歯科疾患の予防
歯並びがよくなることによってプラーク(歯の汚れ)が溜まりにくくなり、虫歯や歯周病の予防につながります。
2. 審美性の改善
歯並びは人の第一印象に大きく関わり、審美性が良くなる事で患者さんの笑顔に自信がつくようになります。また、矯正歯科治療をすると性格がポシティブな傾向になるという報告もあり、単純な見栄えの改善以上の効果があります。
3. 発音機能の改善
歯並びが悪いと舌や唇の動きに制限がかかり滑舌が悪くなることがあります。矯正治療によって歯並びを良くすることで発音が改善されることが期待できます。
矯正治療の種類
当院では、以下の3種類の治療法を行っております。
マルチブラケット装置(表側矯正)
ブラケットを歯の表面に取り付ける一般的な矯正治療法ですが、ブラケットの素材に透明や白いものを使用することで、目立ちにくくなります。また通すワイヤーも目立ちにくいものを選べば、より審美性が高まります。
マルチブラケット装置(舌側矯正)
歯の裏側(舌側)に装置を取り付け、ワイヤーを通して歯を移動させる矯正治療法です。表側から装置が見えにくいため、人に気づかれずに治療が行えます。
マウスピース矯正(インビザライン)
歯型を採って製作した透明なマウスピースタイプの装置を、歯の動きを見ながら交換し、正しい歯並びに導く治療法です。目立たないうえに取り外せることで食事やブラッシングも通常通り行え、また金属を使用しないため金属アレルギーの方にも適しています。
治療の流れ
1.初診相談(約15分)
相談は、治療に関する心配や疑問を聞くことから始まり、患者さんの気になる歯並びを診査し、矯正治療の大まかな説明、見通し、見積もりをお話します。希望があれば当日、精密検査も行います。
2.精密検査・診断(約30分)
診断に必要なX線写真、模型、写真、問診等を行います。この結果を元に、治療方法、治療期間、治療にかかる費用を詳しく説明し、あらゆる面で納得して治療を受けていただけるよう、充分に話し合った後、決定いたします。
3.治療開始、定期通院 (期間 数か月〜3年 / 1回あたりの所要時間 15分~1時間)
治療内容にもよりますが、一回の処置はおおよそ15分から1時間程度です。4~5週間に一度の割合で来院していただき、治療期間は、患者さんの顔の骨格や歯並びの難易度によって大きく変わります。
4.保定装置作成・装着(約1時間)
歯に装着されていた矯正装置を取り外します。治療完成後の歯の位置をキープするために、歯型を取って取り外し可能なマウスピース状の保定装置(リテーナー)を作成します。
5.定期検診(期間 6か月~2年 / 1回の所要時間 15分~30分)
保定装置を付け続けながら、咬み合わせを安定させます。数か月に一度の割合で通院していただき、経過を見守ります。
料金
基本検査・診断料:55,000円
マルチブラケット:基本料金 880,000円 (ホワイトワイヤー加算 110,000円)
マウスピース矯正:基本料金1,100,000円
子どもの治療(I期治療):330,000円
診察・調整料:5,500円
(全て税込み価格です。)
よくある質問
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子供:認められます。
成人:機能的な障害を伴う症状で、診断書があれば認められる事が多いようです。
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当院での矯正歯科治療は保険適用外です。
先天性疾患や顎変形症は一部保険対象となる治療もございますが、当院ではお取扱いできないケースとなります。
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無利息、手数料なしの院内分割払いが可能です。遠慮無くご相談下さい。
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歯周病が悪化すると歯の周りの骨が溶けて歯を支えきれずに、しばしば歯が移動して歯と歯の間に隙間が出来たり、前歯が前に飛び出して出っ歯になったりすることがあります。このまま矯正治療を行うと歯周病がさらに悪化してしまいますので、まず当院の一般歯科にて歯周病をある程度治していただきます。その後、歯周病を管理していただきながら、矯正歯科医が矯正治療を行うことできれいな歯並びになるとともに歯の寿命を伸ばすことが出来ます。
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矯正治療をしてもインプラントは一切動きません。逆にインプラントが入っている患者さんは、そのインプラントを最大限の固定源にできるので、矯正が進めやすいケースもあります。ですから、状況によっては、あえてインプラントを先に入れて、固定源を確保してから矯正を始める、というケースもあります。
なお、矯正治療終了後、インプラントの上の被せものだけは、治療後の咬み合わせに合わせてやり直しをさせてもらう可能性があることは事前に了承頂いています。
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矯正治療を希望される場合には、虫歯の治療を受ける前に、早めに矯正治療のための検査を受けることをお勧めいたします。矯正治療前に治した差し歯や冠などは悪い歯並びにあわせて作られていますので、矯正治療後に作り直さなければいけないこともあります。また矯正治療では悪い歯並びを治すための隙間を確保するために、歯を何本か抜くことが必要になる場合があります。矯正治療を希望される方が自分の判断で虫歯の治療を先に受けて、矯正治療の際にその歯を抜く必要があったり矯正治療後に作り直しが必要になったりすると、先に受けた虫歯の治療のお金と時間が無駄になってしまいます。
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<歯磨き>
矯正治療をうまく進めるためには、毎日丁寧な歯磨き(ブラッシング)が欠かせません。歯並びが悪いために歯磨きが難しいことに加えて、矯正装置がついた歯の細菌の数は以前の3~5倍ほどに増えると言われています。
ブラッシングをさぼってしまうと虫歯ができたり歯茎が腫れ上がったりしてしまい、これらの治療のために矯正治療が中断することになりかねません。矯正治療をスムーズに進めるために、装置がついている方は以前の3倍くらい毎日丁寧なブラッシングを心がけましょう。
<食事>
食事の制限はありません。矯正装置に絡みつきやすい食べ物や、着色しやすい色素の強い食べ物など、注意する必要のある食べ物はありますが、治療段階や時期に合わせてメニューをうまくコントロールすることで十分に対応できます。
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矯正治療自体に年齢制限はありません。しかし、歯周病(歯槽膿漏)により歯がグラグラと不安定な場合には、事前に歯周病の治療を受けるなどの制限はあります。
また、年齢により口元の変化などを考慮し、治療方針が異なる場合もあります。
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一般的な治療期間は2年~3年ですが、個人差が大きく、それ以上かかる場合もあります。1~2本の部分的な矯正治療では1年以内に終わることが多いです。 矯正治療が終了した後は、元の悪い歯並びに戻らないように維持しておく装置(保定装置)を約2年装着し、3ヶ月に1回の定期検診を受けて頂きます。
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「前に飛び出しているこの歯だけが気になるので、1本だけ後ろにさげて歯並びをきれいにしてほしい。」と相談を受けることが時々あります。
後ろに下げるための隙間がある場合には数本の歯に装置を付けて気になる歯だけを移動させることが可能です。しかしその隙間がない場合には全ての歯に矯正装置を付けて歯並び全体を移動させることで、健康で美しい歯並びに整えることになります。
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成人で上下の顎の骨の関係がずれていたり、顎が変形してゆがんでいる場合には、外科的矯正治療と言って手術を併用した治療を受けることになります。
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代表的なものに、歯肉退縮、歯肉のブラックトライアングル、歯根吸収があります。また、稀に歯が失活することがあります。歯肉退縮は歯茎がさがり、歯根が露出していくことです。歯肉のブラックトライアングルは重なっていた歯を並べた時に、歯と歯の間の歯肉がない場合にその空間が黒く見えることです。歯根吸収は歯根が短くなってしまうこと。歯の失活は、歯の神経が死んでしまうことです。
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適切な時間、保定装置を使っていただければ戻ることはありません。当院では、より確実性を高めるために、定期健診をおすすめしています。
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装置を始めてつけたり、力を強くかけたときには、2、3日ぐらいは、歯が浮くような感覚があったり、噛んだときに痛みを感じます。
しかし、 矯正治療の期間中痛みが続くものではありませんのでご安心ください。
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原因のはっきりしない頭痛や身体の痛みに悩んでいる方も多いと思います。これらの体調不良(不定愁訴)は原因が複雑に絡み合っている場合が多くありますので、一概に噛み合わせと関係付けることはできません。ただ、噛み合わせが悪いと、顎・首・背骨…と体全身へ影響を与え体の軸を歪ませる原因になることもあります。また、咀嚼がうまくできず、胃腸に負担をかけている場合もあります。「頭痛」や「肩こり」が改善されることをお約束はできませんが、やはり乱れた歯並び・噛み合わせは治療することをお勧めします。
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口元は、歯の位置によって大きく変わってきます。当院では、歯を矯正することで、口元の印象を変える治療を行っています。お悩みの方は、まずはどのように下げたいのか、カウンセリングの際にご相談ください。
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治療上必要があれば、抜歯が必要なことはあります。
あごや歯並びを横に拡げたり、歯を後ろに動かしたり、歯をヤスリがけして幅を狭く(小さく)することで、充分なスペースを作ることが出来る場合は、歯は抜く必要がありません。しかし、上記の方法では充分に隙間を作れない場合、口元が前に出ているのを大きく改善したい場合などでは、永久歯の抜歯が必要な場合があります。
抜歯部位は検査結果次第ですが、第一小臼歯、第二小臼歯を抜歯することが多いです。